子供時代について

小学生の作文のお決まり文句、

「一生の思い出です。」

と書いたものを、私は一体どれだけ覚えているだろう。

 

子供の頃、本当に望んでいたことはなんだっただろう。

 

成長したいとか、世のため人のためになりたいなんて、考えちゃいなかったと思う。

 

ただただ、友達と遊んだり漫画を読んだり本を読んだりして楽しい毎日を過ごせればそれでよかった。たまに楽器に夢中になってそれで満足だった。自分の趣味に没頭していた。

 

誰からも咎められることはなかった。

 

犬の世話は本当にしなかったなぁ。

あの子たちには申し訳なかったと思う。

命の複雑さを教えてくれてありがとう。

私のところに来てくれてありがとう。

 

勉強は適当にしていた。

そんなに頑張らずとも並の上

くらいにはなれた。

 

興味のない授業は全く聞いていなかった。

こっそり本を読むか、別のことを考えていた。

 

全校集会などは絶好の妄想タイムだった。

今日はあの続きを考えよう、

前回はああいう展開にしたけどやっぱり

こうしようとか、そうしたら

主人公のストーリーがもっと素敵になるとか

考えていた。

 

主人公には、間違いなく自分を投影していた。

あれは、私がなりたい自分だった。

 

美人で、聡明で、強くて、優しくて、

かっこよかった。

 

私は成功者になりたいなんて

思っていなかった?思っていたかもしれない。

別に凄いことができるようになりたいなんて

思っちゃいなかった?特別な存在になりたかった気がする。

 

平凡を満喫する一方、平凡を嫌っていた。

みんなに合わせるのが嫌いだった。

 

頭のいい人間、何か特技のある人間への

憧れが出始めたのは、小学5年の

ときではなかったか。

 

続く